社員インタビュー(構造設計・木造 前編)

                  構造設計グループ・木造チーム(前編) 迎田 絵里・齋藤 美穂

Q1.建築を志したきっかけや理由について教えてください

齋藤 前職は住宅会社の事務職でしたが、建築CADをさわる機会があり、その時におもしろそうと思ったことがきっかけです。転職のために仕事を探していた時に、ちょうどブレンスタッフが山形事務所を立ち上げたばかりで求人募集していたのは、本当にタイミングが良かったと思います。商業科出身で前知識もなく飛び込んだのですが、迎田さんから分かりやすく教えてもらったので、すんなりとなじむことができました。木造の加工図をかく仕事は自分に合っていると思います。
迎田 私は高校生の時に実家を建てることになったのがきっかけです。モデルルームを何十件も見ているうちに、会社によって間取りに特徴があることに気づき、おもしろいと思いました。そこから建物に興味を持ち、普通科高校から職業能力開発短期大学校の住居環境科に進学しました。卒業後は住宅の仕事を希望していたのですが、就職氷河期で就職は苦労しました。土木建築の会社に就職し、その後ブレンスタッフに入社して以来、木造一筋です。

Q2.時間の経過とともに建築についての考えはどのように変化しましたか?

迎田 ブレンスタッフに入る前は意匠をやってみたいと思っていましたが、私には木造の仕事が合っていると思います。例えば、0から1を作るのが意匠とするならば、10あるものをいかにして1000に広げるかを考えるのが加工図だと思います。加工図作成にはパズルのようなおもしろさがあって、ピタッと当てはまるはずの所にキチっとはまった瞬間の気持ちよさがたまらなく好きです。納まりを考え抜いて、ここしかないという所を見つけた瞬間がいいですね。これは多分、意匠や構造にはない魅力だと思います。
齋藤 淡々と仕事をしていく所は変わらないのですが、2次元から3次元になって、設計がよりおもしろくなりました。2次元の時も頭の中で立体を組み立てて図面をかいていたのですが、3次元では視覚的に確認できるので、納まりの検討がしやすくなりました。

Q3.印象に残っているプロジェクトについて教えてください

迎田 かなり複雑な形をしている案件で、3次元CADで作り、そのまま2次元に出して加工場に流したところ、現場で組み立ててみたらはまらないと言われたことがありました。CADを何回も確認したのですがCAD上の間違いが一切なかったので、再度組み直してもらうようお願いしました。そこで、もう一度きっちりカウントしながら組んでみたら、今度はピタッとはまったそうです。その報告を聞いた瞬間、体がぞわーっとしてこの仕事やっていて本当によかったと思いました。苦しい思いをすることもありますが、設計者冥利に尽きるあの瞬間、あの感覚を目指して仕事をしています。後になってみると、難しい案件ほど楽しかったような気がしますし、記憶にも残りますね。

齋藤 過去の案件を振り返る時は、難しいものから思い出しますね。そこから新しいヒントが出てくることもあります。印象に残っているといえば、現在のRevit活用の形をつくり、木造の進め方の大本となった案件がありました。それは、Revitのデータをdwgに変換して加工機に流せるかどうかを実験的に行うプロジェクトでした。私たちはRevitを活用したいと思っていたのですが、なかなか試すことが出来ない中、加工場の働きかけで試験的なプロジェクトが実現し、それがうまくいったことは大きな出来事でした。その後、無事に竣工して皆で安心したことを覚えています。

迎田 木造は、社内でいち早くいろんなことにチャレンジしているグループだと思います。リーダーが新しいものを取り入れることに躊躇せず、良いものは使うという姿勢を貫いているから、私たちも安心してRevitに挑戦することができました。私は、短大時代に試験段階の最新3次元CADをいち早くさわらせてもらってから3次元そのものが好きでしたので、Revitを使うことができてウキウキでした。Revitの習得には、以前の3次元CAD経験が役立ったと思います。3次元を見るのは嬉しいし楽しいです。